リチウムイオン電池技術

(2009年11月24日 更新)

リチウムイオン電池の事業
・需要業界
  ・電気自動車、プラグインハイブリッド自動車
  ・ノートPC電源
  ・家庭用電源

・主要4部材
  ・正極材料
  ・負極材料
  ・セパレータ(絶縁体)
  ・電解液(電池内部に注ぎ、重電や放電時に電荷を移動させる役割を担う)


電池本体の生産数(2009年)
1位 : 三洋電機 三洋電機 27%
2位 : ソニー 19%
3位 : サムスン電子(韓国) 16%
4位 : パナソニック 10%
5位 : LG電子(韓国) 7%
6位 : 日立マクセル 3%
     その他 18%
(2009年6月 経済産業省資料より)


電極に用いる絶縁体材料の世界シェア
1位 : 旭化成 45%
2位 : 東燃ゼネラル石油 (フィルム材料に強みを持つ東レと合弁会社設立へ)
その他 : 三菱ケミカルホールディングス(三菱化学、主要4部材を開発する世界唯一の企業)
       住友化学

市場規模は2008年に8000億円、2020年には3兆2000億円と予想されている。


電解液メーカー
・昭和電工が2009年11月20日参戦表明(20年に600億円目標)
・住友精化+宇部産業、セントラル硝子+ブリジストン、東亞合成、日本化学工業、三井化学


次世代技術
1.リチウムー硫黄電池
正極に硫化物材料、負極にリチウム金属、電解質に固体材料を使用。従来のリチウムイオン電池の5倍のエネルギーの充電が可能。

2.金属ー空気電池
正極に空気中の酸素を利用する触媒材料、負極に亜鉛・アルミニウム・リチウムを使用。正極の容量を小さくできることから、小型・軽量化が可能。

3.多価イオン(カチオン)電池
正極に酸化物材料、負極にマグネシウム・アルミニウムを使用。いつのイオンで複数個の電子が移動するため同じ大きさの電池で複数倍のエネルギーの移動が可能

(2009年11月23日 日経新聞)

環境技術

(2009年11月24日更新)

1.炭化珪素による半導体の省エネ技術
 ・炭素と珪素が1対1の化合物
 ・電圧耐性がシリコンの9倍で薄型化が可能。同時に抵抗が減り消費電力も抑えられる。
 ・円盤状のウエハ作成が困難(高融点のためスパッタの際に原子がきれいにならばなかった)であったが、新日鉄が2009年4月、高品質ウエハの量産に成功。
 ・電力制御用パワー半導体に導入(2015年導入予定)
 ・NEDO事業の一つ。
 ・サーバー電源で2〜4%改善
 ・太陽光発電で発電効率を2%〜4%向上。
 ・電気自動車に使用することで、半導体冷却装置の小型化が可能。燃費を1割向上させることができる。
 ・東芝がインバータ部品に炭化珪素を用いることで、電気ロスを25%抑える技術開発に成功
(2009年10月10日、11月23日 日経新聞)


2.バイオエタノール
九州大学と豊田中央研究所は、1リットル当たり40円とガソリンと同程度の価格で製造可能なバイオエタノールの開発に成功した。
経済産業省から実用化へ向けた製造技術の研究開発費は経済産業省から支援を受け、5年後の実用化を目指す。バイオ燃料は二酸化炭素を吸収して育つ植物が原料で燃やしてもCO2排出量がゼロとみなせるのが特徴。

(2009年11月1日 日経新聞)


3.エコキュート・エネファーム・エコウィル
エネファーム
  ・家庭型燃料電池(新日本石油、東京ガス)
  ・ガス・灯油などから水素を取り出し、酸素と化学反応させて発電・湯を沸かす
  ・320万円程度(国から上限140万円の補助可能)
  ・月5000円〜1万円削減可能
  ・CO2は火力発電・従来の給湯器に比べて30%〜45%削減可能

エコウィル
  ・家庭用ガスコージェネレーションシステム(東京ガスなど)
  ・ガスでエンジンを沸かし発電
  ・70万円程度(国から12万4000円の補助可能)
  ・年3万円程度を削減可能
  ・CO2は火力発電・従来の給湯器に比べて30%削減可能

エコキュート
  ・自然冷媒ヒートポンプ給湯器(東京電力、関西電力)
  ・空気中の熱を取りこんで圧縮し、二酸化炭素を冷媒に使ってさらに高温にして湯を沸かす。
  ・60万〜100万円(国から4万1000円の補助可能)
  ・オール電化にすると光熱費3割削減
  ・CO2は火力発電・従来の給湯器に比べて50%削減可能

(2009年11月1日 日経新聞)


4.環境技術と経済に関する調査
・日本エネルギー経済研究所
・国立環境研究所


5.環境対応車をめぐる動き
・日産 NECと共同で日米欧でリチウムイオン型電池を量産。ルノーにも提供
・トヨタ パナソニックと共同出資会社でニッケル水素型電池を量産。リチウムイオン電池は三洋から調達。
・ホンダ GSユアサと共同出資会社を設立しリチウムイオン電池を量産。
・VW 三洋、東芝からリチウムイオン電池を調達
・プジョー・シトロエン GSユアサ・三菱自動車からリチウムイオン電池を調達。ニッケル水素型は三洋から
・GM 日立・韓国LG化学から調達。

(2009年11月3日 日経新聞)


6.スマートグリッド(=賢い送電網)
ITを活用し、電力の流れを自動制御する次世代送電網。電力需要にきめ細かく対応した発電や送電が可能となり、不安定な太陽光や風力発電を導入する際に不可欠とされている技術である。

(2009年11月13日 日経新聞)


7.藻の培養でCO2削減
デンソー基礎研究所では、工場が排出するCO2で藻を培養し、それをバイオ燃料にする技術開発に取り組んでいる模様。

電機業界の現状

(2009年11月20日 更新)

2009年7月〜9月の国内大手9社の営業利益は1519億円。
一方でサムスンは1社で3260億円。

これが現在の日本の電機メーカーの現状。
(日立、東芝、三菱、パナソニック、ソニー、富士通、NEC、シャープ、三洋)


この原因としては、技術力ではなく経営力が考えられる。

<不況時の対応>
日本 : 投資にブレーキをかける
サムスン : 製造設備の値段が下がることもあり、増資に踏み切る。これにより需要が回復した時に生産力で差をつける。


<グローバル化への対応>
日本 : インフラ系事業の比率が高く、また総合電機メーカーであるのが特徴。そのため、NTT・JRなどの安定した官系需要や国内需要に目が向きがち。

サムスン : 元々国内市場が小さく、世界市場を意識した経営が当たり前。


<指導力>
サムスンの発展には、イ・ゴンヒ前会長の指導力が高収益をもたらした。


<国の支援>
日本の国の支援は、どうしても『次世代技術の開発』に目を向け勝ちである。
しかし、日本で次世代の技術が開発されたとしても、サムスン電子のように、市場の拡大が見込める分野に集中的に設備投資を行うことで生産量を急激に増やし他社を引き離す戦略で再び引き離されてしまう可能性がある。
リチウムイオン電池やLEDなど、現在の生産量が将来の需要に対応できていない分野では、次世代の開発よりも現在の生産力強化へ資金を回す産業政策も重要である(2009年11月20日 GSユアサ社長談)。

<将来展望>
鳩山政権が目指す内需主導では電機業界は縮小していく。
外需をどれだけ取り込むかが重要。

気になった言葉

楽天社長 三木谷浩史

〜ものづくり社会についての話〜

日本がものつくりだけで世界をリードできる時代はもうすぐ終わる。
アメリカの競争力の源は世界の頭脳を輸入している点にある。
日本もいろんな知恵を集めても面白いサービスを作る枠組みを整えるべきだ。
会計や商法などを国際基準に合わせる必要もある。
(2009年10月29日 日経新聞)



三菱ケミカルHD社長 小林喜光

〜金融危機がもたらした教訓についての話〜

市場がすべてという金融資本主義の失敗が明らかになった。経済は自由放任だけではなりたたず、企業は株主だけのものではない。事業収益を短期間で評価する株主至上主義では、長期的な研究開発にカネが回らない。

日本産業の空洞化

(2009年10月29日 更新)

最近の世界経済を牽引している新興国。
日本の多くの企業も、国内の市場飽和と新興国での市場拡大を見越して、
新興国向けの販売事業に力を入れるところが増えてきている。

一昔前、日本の企業は、日本国内の工場で生産し輸出する形で利益を得てきた。
しかし、最近は、輸出に不利な円高と、海外の安い労働力を求めて、海外に工場を作り、そこで生産から販売までを行う手法が増えてきている。

これにより、国によって異なる物に対する価値観や考え方を、素早く製品に対処することが可能となっているともいえるが、
その反面、技術の流出や、日本国内での産業力が低下することも考えられる。
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